2004年7月

「佐古愛日連」の練習取材しちゃいました!

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  笹山通れば 笹ばかり
大谷通れば 石ばかり
猪豆くって ほーいほーいほーい
一丁目の橋まで 行かんか来い来い

いろいろ調べると、笹山というのは実は南佐古三番町あたりの佐古山ではないか、確かに笹が多くあったようなので、うちの連では笹山やめて、佐古山にしようと決めた。佐古一、二番町あたりは、大谷といって昔、石切場があった。今の佐古川を使って青石を切り出していた。今もその名残である石積みが見られる。
一丁目の橋というのは佐古橋で、蜂須賀公が治めていた当時の阿波おどりは、大きな騒ぎにならないようにと、地域を限定して踊ることを許したようで、一丁目の佐古橋までしか行けなかったということのようだ。
寺町通れば"たこばかり"ともいうのもあるよ。と地域踊りの復活仕掛け人、木村会長(写真)は笑った。

no6_4.jpg こういう会長のいらっしゃる街は楽しそうだ。
会長は「おどりに参加を呼びかけるのに、下手したら私一人で踊らないかんかなと心配しながら、回覧板を回したら、90 人にもなった。びっくりした」とおっしゃる。
鳴り物も三味線八丁を合わせて19名。ただ、笛が少し足らないので、紙面で呼びかけてくれんかと頼まれたので、どなたかどうですか。
広島なまりの記者氏が「みなさん、おどりが得意なんですか?」と聞いた。
会長は「得意かどうかはわからんけど、みな好きなんですよ」と。そうですよね。阿波おどりはうまい下手の前に、好きなんですよね。阿波おどりが、こうした楽しい輪をつくって、広がることを、みんなが知っているんですね。

no6_5.jpg この日の練習には、約60 人が集まった。
有名連の連長でもあり、地元佐古でおどりプロショップの社長さんでもある岡本忠さんが指導にかけつけた。「おどりの基本は、まず笑顔」と。そして手や足の位置、歩きながらおどる隊列や速さをチェック「桟敷では、お金を払って見に来ているのです。だらだらした姿は見せられない」と厳しい言葉もありました。

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no6_7.jpg本番8月15日夕方には、佐古児童公園に集合して40年ぶりに、佐古山~大谷~佐古橋へと町内をおどる。
最近、独居老人宅が多くなって、とご心配される会長さんは住民の皆さんに、特に桟敷やあの雑踏の中へは行けないとあきらめていた方、「ぜひ、無理のない範囲でちょっとお出かけいただいて、見てください、よかったらいっしょにおどりましょう」と呼びかけている。
うれしいじゃないですか。これぞ、地域おどり。佐古のおどる阿呆に、見る阿呆を ぜひ、おっかけしたい。また、谷事務局長さんにも、地域のことをいろいろお聞きしたい。

Writing/宮本光夫
Photograph/幸田青滋

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no6_2.jpg  佐古愛日(あいじつ)連

今の佐古小学校は最初は戎(えびす)と言っていたが、別に愛日という名前もあった。
そのあたりのことは、地域の歴史に詳しい方がいらっしゃるということなので、あらためて聞くとして小学校の名前が連の名前になったというのも、地域の阿波おどりにふさわしい。

阿波おどりを応援するうちわ作っちゃいました!

A面は、阿波弁メッセージ10案。踊り子、鳴り物の人、帰省してきた人、観光客・・・。みんなが、にんまりしてくれたらラッキー。それからB面の「はがき」案。「うちわ」が「残暑見舞い」的に全国各地を飛び回っている様、イメージするだけで顔がほころびます。

 

utiwa_1.gifもんてきたでよ
We are back.
今年も、阿波おどりに再会できた喜びを噛みしめよう!

「もんてくる」=「帰ってくる」。
「○○したでよ」というのは、現在完了形です。
ということで、「まさにいま、帰ってきたよ、私は」
という感じです。県外住まいで、久しぶりに実家に帰った時に、
こんな会話が親子で交わされます。

<玄関空ける>
息子:「もんてきたでよ」

<居間から、声>
母:「えー!、はやかったな」(あらら、早かったのね)
父:「・・・」

<息子、父に土産を渡す>
息子:「これ、みやげ」
父:「おぉ、すまんの」(ああ、ありがとう)

妙な沈黙・・・。

ということで、「もんてきたでよ」は味わい深い言葉なのです。

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utiwa_2.gifすっぱりしとる
That's excellent.
華麗な踊りに出会ったら、最上級の賛美を贈りましょう!

「すっぱり」=「素晴らしい」です。
これも若い人は、ほとんど口にしないですね。
僕の記憶によれば、小学校の習字の先生が褒めるときによく言っていました。
「この字、すっぱりしとんなあ!」

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utiwa_3.gifしわしわ いかんで
Let's go slowly.
ちょっと混雑してますが、まあ、慌てずゆっくり、
今宵を楽しみましょう!

今となっては典型的なおじいちゃん、おばあちゃん言葉ですね。
「ゆっくり、いきましょ。」という感じの風情ある印象。
僕は、たまに久しぶりの友達と会って、
鍋とかつついていると、言ってしまいます。

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   utiwa_4.gif おぶけるわ!
What a surprise !
見事な踊りに出会ったら、全身で驚きを表現しよう!

「びっくりしたなあ、もう!」という感じ。
語源は、また調べておきます。
なんか、インパクトがあって、若い人でも常用する人あり。
その滑稽な響きが、けっこう場を和ませます。

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utiwa_5.gifどちらいか
You are welcome.
扇いで感謝されたら、思いっきり謙遜しましょう!

鳴門沖に棲息する「イカ」の一種であるという笑いネタはおいといて、
「ありがとう」に対する「いえ、こちらこそ」という軽い受けの言葉です。
この言葉、県人の若人は、もうほとんど口にしていないと思います。
でも、近所のおばあちゃんは「ありがとう」って言うと、
今でもこう返ってくるんだよなあ・・・。

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utiwa_6.gifえかげんで ええで
Take it easy.
緊張気味の踊り子さん、鳴り物さんに
肩の力を抜いてもらいましょう!

「えかげん」=「いい加減」。これは、「おまえは、えかげんやのー!」
という風に、バッドなニュアンスでも用いられます。
この違いは、声のトーンと顔の表情で見極めてもらうしかありません。

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utiwa_7.gifかんまん かんまん
No problem.
ちょっと失敗しちゃった踊り子さんも応援しちゃおう!

「かんまん」は「構わなくて良い」というところから由来すると
勝手に解釈しています。転じて「気にしなくてよいよ」というぐらいの意味。
ダブルで反復することにより、強調の意を表します。

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utiwa_8.gifえっとぶり!
Oh, it's been a long time !
年に一度の喜びを、みんなで分かち合いましょう!

「久しぶり!」という意味。
細分化すると「えっと」=「長い・長期間」で、
「ぶり」はひさしぶりの「ぶり」です。
用例としては、「えっと待った」=「長い間、待ちました」
「えっとみんかったなあ」=「長い間、会わなかったですね」
などがあります。

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utiwa_9.gifしれとる しれとる
It's easy.
踊りたくなったら、見よう見まねで踊りましょ。
ほら、カンタンでしょ!

これは、比較的分かりやすいと思います。
「たかが、しれたこと」とほぼ同意語。
これも、ダブルで反復することにより、強調の意を強めています。

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utiwa_10.gifやるでないで 
Very good.
イケてる「連」に出会ったら、声高らかに!

「ないで」というのは、阿波弁の特徴的な接尾語です。
意味的には、否定ではなく「よね!」「だね!」ぐらいの強調言葉です。
これの応用例として、「あるでないで!」という県外人の皆様には、
おおよそ意味不明な言葉があります。くれぐれも、
「あるのか、ないのか、ハッキリしろ!」と怒らずに・・・。
この意味は、「あるじゃないですか!」ということになります。

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Design/藤本孝明
Writing/新居篤志

阿波おどりの徳島の街をデザインしちゃいました!

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Design/藤本孝明・鶴田幸久

阿波おどりの街を統一デザインで飾るプロジェクトが実現しました。阿波おどりをモチーフにした切り絵風のイラスト、テーマカラー(黄)を設定し、考えられるサインに全面展開。街全体の一体感を増幅できればいいなあ。

じゃーん!ロゴマーク堂々完成!

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Design/藤本孝明

扇ぐと言う行動の動作から生まれるエネルギーと、徳島の阿波おどりをサポートしていくという会の存在意義を「awa」と続けて書く筆跡になぞらえ、もう一つの徳島の名勝である渦のカタチに融合しました。
会名は筑紫とユニバースで組み、華美にならないように、可読性を重視して、さらりとコンポジションしています。

夜間阿波おどりの練習取材やってます!

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no2_2.jpg 7月8日夕方7時ころ新町の親水公園~ボードウォーク周辺をうろついてみましたがそれらしい人影は見当たらず、夕涼み風のおねいさんに質問するとこのあたりでの練習はたいがい8時過ぎてで7時台は郷土文化会館よりの藍場浜に行ってみれば、、との事でした。

最初に見つけたのが「藝茶楽連」さん。太鼓に書いてあるロゴでわかります。練習前みたいだったので連長を探して撮影依頼を告げますと「阿波魂で?」とのご返事でした。阿波魂=み編集長のお顔が目に浮かび取材実績の証みたいなもんですね。さすがです。

本番1ヶ月以上前ですので初心者は手を上げないで先輩の後にくっついて基礎歩行練習の様子でした。時折手を上げ掛け声をかける程度で先輩が後輩の指導をする和気あいあいの練習風景でした。

no2_4.jpg もう少し西側の郷土文化会館前のれんがの広場では阿呆連のフォーメーション練習が真っ盛りでした。郷土文化会館東側の階段最上段に登って全体の動きを観察いたしますと何人かの指導する役目の方が隊列に指示を出していました。個人の技量と共にグループでの動き、スピードが人気だそうです。」
かなりな距離がありデジカメの感度設定を上げf1.2の明るいレンズに交換しパカパカ撮影していますと「どちらさんでしょうか?いやこのあたり最近置き引きとかが多くてこまっとんです、、。わっわしはドロボウさんと間違えられそうになっています。「扇ぐ阿呆」の会の者です・・とまだ発表前の団体名を出すわけにも行かず、、ほぼ真っ暗やみの中手帳から仕事用の名刺をとり出し渡しました。今後は必ず事前に取材申し込みをして頂きましてから撮影・撮影をと念を押されました。反省反省。

no2_1.jpg 翌日は夕立があり練習はお休みかな??とボードウォークに行ってみますと老若男女、何となくほのぼのした感じの練習が見れました。あまり広くない場所ですし3~40人ぐらいでしょうか雨上がりって事もあって見物の方もお散歩がてらいい感じが致しました。

Photograph,Writing/幸田青滋

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「麻痺の手が動く気がする阿波踊り」ひのみね療護園内 村上哲史(スローアート協会・ゆるい展世話人)

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 「へい、いらっしゃい!」
 「缶ピール20とジュース30本。ジュースは適当にいろいろ」とお客さん。 二人とも喉が潰れんばかりの大声である。そうしないと、鉦や太鼓の音が大きすぎてお互いの声が伝わらないのである。 ボクが生まれた家は、徳島市の両国橋通りと紺屋町の角っこにあった。今は富田タクシーが駐車場代わりに使っているだけの、歯が抜けたような奇妙な空間になっているが、確かにそこにボクの家はあった。「祖谷そばのいろは」といえば、もしかすると覚えている方がいるかもしれない。もう四半世紀以上昔のことである。
 当然、お盆の間は阿波踊りの客でにぎわう。店先では、よく冷えたビールやジュースを販売。人手が足りないので、そこはボク等兄弟の担当だった。 接客は主に兄達が行なう。ボクは商品ごとの売上本数をカウントしたり、次に補充すべきのもを指示したり・・・。格好良くいえばマーケティング担当とも言えるが、実は横で見ているだけであった。それでも、兄達が大口注文の納品準備をしている間に代金の計算をしたり、別の客が手を伸ばしてきた時には接客もした。
 客にとっては、ボクの手が不自由であろうとなかろうと、知ったことではない。「早く飲みたい」その一心で手を伸ばしてくるのだ。だからボクも震える手を必死に伸ばして代金を受け取ろうとする。すると、いつもならなかなか掴めないコインがさっと掴めたりするから不思議だ。時には「早ようせーだー」と怒られたことも何度かあったが、それでもボクは嬉しかった。「こんなボクでも人の役に立つことが出来る」そう思うだけで、ものすごく嬉しかった。
 真夏の夜のよしこののリズムは、自分の体が不自由であることを忘れさせてくれいてた。そしてその感覚は、今も体に染み付いて離れない。

■本人管理サイト
http://www.hinomine.com/

「或る阿呆の思い」鳴門教育大学附属養護学校教諭:猪子秀太郎

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 毎年,お盆の一晩だけ,鳴門教育大学附属養護学校の踊り連が,幸町に繰り出します。これは,もう6年ぐらい前から続いています。完全自由参加,先生も生徒も保護者の方も,それぞれの家族も友だちも,好きな人は6:30に鷲の門に集合してよ。この約束だけで,毎年10人から20人ぐらいのこぢんまりした連ができあがります。連の名前は,その場の気分で決める。今年は,ある先生がうちわの目印を持ってきたから「うちわ連」でした。 私自身は,この学校に勤めて11年目,実は7年前から「天水連」という阿波踊り連に所属して,踊っている阿呆の1人です。本来ならお盆の4日間は,連で昼から晩まで踊りっぱなしのはずですが,わざわざ時間をあけて「うちわ連」に参加しています。それは,私自身の阿波踊りに対する「思い」があるからです。
 みなさんご存じのように,阿波踊りにはいろいろな楽しみがあります。「有名連の上手な踊りを見る」ことや「有名連に入って上手に踊る」ことは,とても楽しいことです。私も,上手にかっこよく踊りたい一心で,天水連で踊っています。一方で,「別に上手じゃなくても踊ると楽しい」し「すぐ踊るチャンスがある」のも,阿波踊りだと思っています。
no1_2.jpg ふだんの私たちにとっては,踊りは非日常的なものです。ところが,徳島のお盆は,求めれば誰でも「踊りが日常的」なものになるチャンスが転がっているのです。私の父親の世代には,「新町橋までいかんかホイホイ」などといいながら町内の有志が踊り出していったそうです。夢のようです。今は,その頃ほどではないにしろ,捜せばチャンスはたくさんあります。「うちわ連」で踊っていると,幸町を歩く人たちが「ひょっ」と踊りの輪に加わってくれます。浴衣を着た「ちゃんとした連の方」も,一緒に踊って盛り上げてくれます。中には,大太鼓や三味線を鳴らしてくれる人もいます。有名連で踊っている時とは違う,「心浮き立つ」瞬間です。
 附属養護学校の生徒たちは,自閉症だったり知的障害だったりして,ふだんの生活には「暮らしにくさ」を感じている人たちです。でも他の人たちと同じように,踊りが好きな人もいれば嫌いな人もおり,好きな人は「踊るチャンス」を捜しているのです。私は,決して「障害のある人に,踊る機会を作ってあげよう」なんて高邁な気持ちで「うちわ連」に参加しているのではありません。たまたま,学校で踊りに行く機会があったから参加して,参加したら「えらい浮いて楽しかったなあ」と感じて,次の年からその「機会」を大切に守っているだけなのです。自分の心が「浮いて」,人の心も「浮く」のが楽しいから参加しているのです。
 誰でもが「ひょっ」と踊って心が浮いて,そんなチャンスがもっとたくさんできると,阿波踊りは「ほんまもん」になると思います。もし,こんな気持ちを経験したい方がおいでたら,うちの学校の踊りの輪に入ってください。一年に一晩,8月のたいがい12日(違う年もあるんよ)7時半頃,幸町公園の近くの通りで踊んりょるけんな。