2005年7月

「"粋"なきっかけ」岡本幸雄

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徳島に来て来年で30年。 初めて明かしますけど当初10年間は阿波踊りが大嫌いでした。

お囃子が聞こえる頃、そそくさと里帰りに夢を膨らませ、阿波踊り期間中は徳島から 離れていました。そうです。徳島の人になりきれて無かったのです。郷里に帰るとき初めて本当の自分に還るみたいな居場所が徳島になかったのかも知れません。

それから約10年後のある時、元町の交差点で信号待ちをしていると前の車の男性が篠笛をおもむろに出し吹き始めたのです。それが何故が粋でカッコ良く目に焼き付いたのです。その当時、TGD連(徳島グラフィックデザイナー連)ができて間もなくだったと思います。阿波踊りに笛で参加したい...と思うようになったのです。

ところが、この笛が難しい。吹いても吹いてもなかなかうまくならない。フォーク全盛の学生時代、シンガーソングライターを夢見ていた(誰ですか?笑っているのは)こともあり、音感に自信があったつもりでいただけに数年格闘しました。そんなわけで、昨年から大鼓を覚え始めています。視覚から阿波踊りに魅せられていった一人です。

それと自分の中で第二の故郷であったはずの徳島が、知らず知らずのうちに「故郷」になっているのだと思います。今では阿波踊りのリズムを聴くと動物の本能が呼び起こされるみたいで、6月頃、吉野川河川敷から練習の音が聞こえてくると身体の血管の中で脈打つ音が聞こえてきそうになります。すめば都と言いますが、阿波踊りのある徳島に来て良かったなぁと思っています。

以上、ほんとうに個人的な阿波踊りと自分でした。

レッツ・ぞめき ・グルーヴ「阿波踊りリズム考察」~私的鳴り物用語解説 木川隆志

最初にお断りしておきますが、この解説はあくまで私見であり、
アカデミックな用語解説とは別物とお考えくださいませ。

●「正調」お囃子

チャンカ・チャンカで例えられる二拍子のバウンスリズム。
ちなみにバウンスとは「弾む」とか「跳ねる」の意。
※黒人音楽の一つにシャッフルというダンスリズムがありますが、通じるところがあるように思われます。ひとくちに正調お囃子といってもよく聴くと、幅が広すぎて実は解説できません。「正調お囃子」を定義するのは「スポーツカー」を定義することと同じぐらい曖昧なものと思われます。

●「正調」と呼ばれないお囃子

ここ数年でよく聞かれる打楽器だけで奏でられる音量、音圧ともにもの凄いリズム。
※私には4拍子の16ビートに聞こえます。リズム自体は跳ねていませんが、これで女踊りをしたり、いわゆる「さし足」で踊るのは無理があると思われます。若い人に人気のある某連が「すり足」で踊り、女踊りを採用してないのは正しい選択だと思います。
現在作り出される楽曲が16ビート中心であるということを考えると、人気があるのも納得です。

04kane.jpg ●鉦(カネ)の役割

コンボの中ではリズムの芯です。自ら音を出せる指揮者のようなものです。
テンポや展開、エンディングまでも決定権があります。
なかなか美味しいパートですが、鳴り物全体の力量の印象が鉦によって決められてしまうぐらいの責任が発生します。
また、リズムのキレの部分は鉦によるところが大きいと思われます。

04fue.jpg ●笛の役割

笛の音は人間の耳に聞こえやすい周波数なのかも知れません。よってオーケストラ編成なみの鳴り物部隊や演舞場の雑踏といった場所でもよく聞こえます。
一般に鳴り物コンボの中では、メロディ担当ですが譜面には表せない情緒を醸し出すのがあの音色ではないでしょうか。また、スタッカート気味に吹く「きり笛」というのがあります。これはとてもリズミックなハイテクニックです。

04oodaiko.jpg ●大太鼓の役割

鉦がテンポ命なら大太鼓はノリが命です。上手な踊り子さんは一番大太鼓を聴いて踊る、もしくは踊らされるそうです。テクニカルなパートではありませんが、シンプルなフレーズで勝負するのはまさにファンクの神髄です。
ちなみに基本パターンの「ドドンガ・ドーン」はクラシックなフレーズ、「んっ(←休符)ドンガ・ドーン」はモダンなフレーズに聞こえます。叩く人も聞く人も音圧がお腹に響くのがこの楽器の特徴です。

04simedaiko.jpg ●締太鼓の役割

フレーズの間を埋めてリズム同士をうまくつなげる、フィル・イン(オカズ)を上手に使って、リズムに彩りを加えます。基本フレーズはあるものの、豊富なバリエーションが存在します。締太鼓のフレーズを聴いただけで、連名が特定できる場合もあるため、叩く人の個性が出しやすい楽器だと思います。
乾いた音色を出すために、皮のコンディションのキープや「締め」だけに紐の締め方が音色に大きく左右します。叩く以前に楽器をよく知ることも必要です。

04syamisen.jpg ●三味線の役割

「阿波踊り」の「ぞめき感」(心地よい騒々しさとでもいうのでしょうか)こそ三味線の醍醐味です。
一般にいわれる「チャンカチャンカ」だけでなく、メロディもコードもリズムを出すことができますが、いかんせん楽器単体での音量が小さく音域も狭いため、他の鳴り物の音に埋没して屋外ではほとんど聞こえないといった現状があります。また、三味線をかかえて町中を流す姿は老若男女を問わずビジュアル的にとてもカッコ良いのですが、チューニングに無頓着な場合が多々あります。残念!PAのある舞台演奏やメイン演舞場からちょっと離れた街角を少人数で流したりする時にこの楽器の良さが発揮されるのかもしれません。

04ookawa.jpg ●その他の楽器の役割

鼓(つづみ)や大皮(おおかわ)などのパーカッション系は少数派ですが、うまくアンサンブルにとけ込むと、鳴り物全体の質感が大幅にアップします。鼓は拍子のオモテ、大皮はウラで叩くのが基本です。両楽器が加わるとポリリズム(二つ以上の異なるリズムが同時に使われること)のようになってもの凄く格好良く聞こえたりします。

最後に私自身は鼓弓(こきゅう)を弾いたことがあります。よくみられる中国式とは違って三味線を小さくしたようなカタチをしています。弓の代わりに馬のしっぽの毛を束ねたもので弾きます。バイオリンのような音が出ますが、何といっても、かかえた時の「たたずまい」で勝負できる数少ない楽器でした。

以上長々と書き連ねましたが、踊る阿呆だけでなく通常は裏方の鳴らす阿呆にも注目して見ると「阿波踊り」の楽しみ方が広がるのではないでしょうか。

「徳島県民のDNAには阿波踊りが書き込まれているか?」渡部圭(四国写研)

娘が通う小学校の運動会では、6年生が阿波踊りを踊ります。限られた時間でしょうが、みんな練習を重ねて本番に臨むようです。お囃子も子供達です(笛はリコーダーなんですが)。

6年生と先生達の阿波踊りを見ていた時も感じたんですが、達者に踊る人たちの中に、どうもぎこちなく踊る人たちが結構いるように思うんです。これは、有名連のみなさんではなく徳島の普通の人達が踊るのを見ているといつも思ってしまうことです。

達者な人達には余裕があって、踊ることを楽しんでいることがこちらに伝わってくるような気がします。一方ぎこちない人達からは一生懸命さは伝わって来るんですが、雰囲気を楽しんでいるようには(僕には)感じられません。手足をはこぶのに精一杯に見えます。

県外の方が「本物の」阿波踊り(テレビとかではなく実際の踊り)に触れたときには、ぎこちないながらも楽しそうな雰囲気を醸しているような気がします。小さな子供によしこのを聞かせると自然に手足を動かして自然に踊り出しますが、あんな感じを大人でも取り戻して踊っているのをみてこちらも嬉しくなってしまうことがあります。そして、つくづく阿波踊りにはすばらしい力があるなあと思っちゃいます。

ようするに普通の徳島の人は誰でもみんなが阿波踊りが上手じゃないってことを言いたいのです。「徳島県民」っていうだけでは、阿波踊りはうまく踊れないですよね。一般的に黒人の人はリズム感が良いとされています。あんな風に生まれながらに阿波踊りを上手に踊れたらうらやましいんですが、阿波踊りは天性のものではないってことでしょう。

でも、徳島の人なら誰でもが"上手じゃなくても"踊りを楽しめて、"うきうきした気持ちがみんなに伝わるような"阿波踊りをできるようになりたいですよね。そして徳島の人みんなが楽しい気持ちで楽しく踊れる場所がいろんな所にあったら徳島の街は徳島の人にとって素敵な街になるだろうなんて考えてしまいます。そのためには何が必要なんでしょうか。せっかくなんだから運動会もそういう場所にすればいいのに・・・なんて思うんですがね。

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※写真はイメージです。

「選抜阿波踊り大会 前夜祭05」のチラシ完成!

「選抜阿波踊り大会 前夜祭05」のチラシができました。

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