「"粋"なきっかけ」岡本幸雄

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徳島に来て来年で30年。 初めて明かしますけど当初10年間は阿波踊りが大嫌いでした。

お囃子が聞こえる頃、そそくさと里帰りに夢を膨らませ、阿波踊り期間中は徳島から 離れていました。そうです。徳島の人になりきれて無かったのです。郷里に帰るとき初めて本当の自分に還るみたいな居場所が徳島になかったのかも知れません。

それから約10年後のある時、元町の交差点で信号待ちをしていると前の車の男性が篠笛をおもむろに出し吹き始めたのです。それが何故が粋でカッコ良く目に焼き付いたのです。その当時、TGD連(徳島グラフィックデザイナー連)ができて間もなくだったと思います。阿波踊りに笛で参加したい...と思うようになったのです。

ところが、この笛が難しい。吹いても吹いてもなかなかうまくならない。フォーク全盛の学生時代、シンガーソングライターを夢見ていた(誰ですか?笑っているのは)こともあり、音感に自信があったつもりでいただけに数年格闘しました。そんなわけで、昨年から大鼓を覚え始めています。視覚から阿波踊りに魅せられていった一人です。

それと自分の中で第二の故郷であったはずの徳島が、知らず知らずのうちに「故郷」になっているのだと思います。今では阿波踊りのリズムを聴くと動物の本能が呼び起こされるみたいで、6月頃、吉野川河川敷から練習の音が聞こえてくると身体の血管の中で脈打つ音が聞こえてきそうになります。すめば都と言いますが、阿波踊りのある徳島に来て良かったなぁと思っています。

以上、ほんとうに個人的な阿波踊りと自分でした。