「まだ、かけだしの踊り子の思い」若田誠司(建設コンサルタント)

徳島のお盆の夕暮れ、ゆかた姿の踊り子が車に乗ったり、歩いたり、あるいは自転車で、颯爽(さっそう)と街(徳島市中心部)の方に向かっています。

わたしはその姿をみて「かっこええなー」とあこがれていました。

踊りを観終わった10時過ぎゆかたも乱れて、疲れ果てた姿の踊り子が、帰って行きます。

わたしはその姿を見て「かっこええなー」とあこがれていました。

みなさん、そんなことはないですか?

平凡な日常生活の中で、何かをしたい、何かで注目を浴びたい、忙しい仕事の中でいつも考えていました。あるとき、ここは徳島やな、あれ、阿波踊りがある、夏が来たらあこがれていたゆかた姿がある。どうせ踊るなら"かっこよく"踊りたいとそう思い、何年か前の夏、有名連に入り演舞場デビューしました。感動しました。ゆかた姿で颯爽(さっそう)と街を歩きました、そうです、ずっとあこがれていた姿です。
 
でも、それからなんです、ずっと悩んでいます。

なかなか上手くならないのです、先輩方と何かが違います、いちに、いちにの二拍子のなかでその二拍子を崩しながら連独自の踊りを継承しつつ、自分独自の踊りを完成させなければならないのです。ほんとに阿波踊りは、奥が深いのです。

最近の阿波踊りは観光目的で商業的になったとか、このままではダメだ、昔とちがう、もう少し身近なものにならなければいけない、とか、色んなことが言われていますが、それは、阿波踊りというブランドを利用して活動しようとする人が言っていることであって、地元の人や観光客は何も思っていないのではないのでしょうか。

ましてや有名連の踊り子は純粋です、踊りがうまくなりたい、連の中でトップになりたい、阿波踊りのスターになりたい、そういう思いで一年中練習しています。

みんな忙しい仕事を持ちながらがんばっています。理解のない職場では「この忙しいのに阿波踊りっつか、アホちゃうか」とか言われながらがんばっている人もいるでしょう。

私は連に入って思いました。先輩方を見てこの人たちが徳島の阿波踊り(伝統文化)を支えているんだなと、ひたすら純粋に、踊ることに喜びを感じ、連の伝統をまもることを考え、観ている人に感動を与えたい、観ている人が、子供、若者、老人、地元の人、観光客、著名人、日本人、外国人、そんなのは関係ありません。観ている人は観ている人なんです、その観ている人から「良かった、感動した、また観たい、今の連の名前は」等と言うことを聞きたい、それだけなんです。

そうなんです、勝手ながら、私も徳島を代表する伝統文化(阿波踊り)を支えている一人なんです。そのことに誇りと責任を感じながら、今後も先輩方共々「観ている人に感動を与える踊り」を追及して行きたいと思います。

以上 「かけだしの踊り子」の、とりとめのない勝手な思いでした。

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※写真はイメージです。