「楽しさの相乗効果」町田 絵理子(「神戸ちるど連」 「小町」)

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小学三年生の時、父親の転勤で徳島に引越し、はじめて阿波踊りを踊った。
企業連の先頭で、子供ハッピに豆しぼりをまいて、阿波踊りというお祭りの何たるかも知らず、ただただ楽しくて、両手を上げて「右手右足、左手左足...。イチ二、イチニ...。」と歩いた。

あれから十数年。今は神戸で阿波踊り活動をしている。
阪神淡路大震災の後、父が近所の子供達を集めて阿波踊り教室を開いたことがきっかけで、英語の「children」との洒落から[神戸ちるど連]というグループが生まれた。

私はその[神戸ちるど連]で、阿波踊りを教える立場にあるのだが、私はただ「指導する人」ではなく、「伝える人」でいたいと思う。
「指導」というと、あれはああだ とか、これはこうだ とか、自分の中で確立された形があり、そして他より上の立場で物を言っている気がする。けれど、阿波踊りに関わるほとんどの人が言うように、阿波踊りとは巨大な生き物のようなもので、様々なものと関わりあいながら常に変化、成長してきたからこそ、今なお多くの人々に愛されているんだろう。阿波踊りを愛することに優劣も上下関係もないはずだ。

400年もの長い年月をかけ、阿波の人々に愛されて、阿波の国とともに育ってきた阿波踊り。私は、その大好きな徳島の阿波踊りを[神戸ちるど連]のメンバーに「伝えよう」としている。そして[神戸ちるど連]として、愛する徳島の阿波踊りを、より多くの人々に「伝える」ことが出来ればいいと思う。

[神戸ちるど連]が様々な所で阿波踊りを披露する中で、最近よく言ってもらえる言葉がある。
「阿波踊りを見たのは初めてだけど、是非徳島に行ってみたいと思った。」
最高の賛辞だと思う。
私達の阿波踊りを見て、楽しい、と思ってもらえたからこその言葉だ。
楽しんでもらえた事がうれしい。阿波踊りを楽しいと思ってもらうことが、私の何よりの喜びであり、阿波踊りをする上での自分に課した目標でもあるから。
そして、うれしいから、もっと楽しく踊れる。楽しさの相乗効果だ。
 
昨年果たした念願の[神戸ちるど連]の初の徳島踊り込み。鳴り物さんをいれても20名足らずの少人数だったけど、徳島の街は、こらえ切れないほどの楽しさのエネルギーの中に私達を受け入れてくれた。
今夏もまた、あの巨大な楽しい渦の中に飛び込もうとしている。
阿波踊りからいただいた、私の中の喜びや楽しさは、踊る私から溢れ出て、きっと周りの人たちに伝わるだろう。そしてまた少し、あの楽しい空気が重みを増す。やっぱり楽しさの相乗効果だ。

こんなにも素敵な阿波踊りが、そして阿波踊りを愛するこの思いが、どこまでもどこまでも届くように...。
そう願いながら、これからも阿波踊りを愛し続けていこうと思う。

■神戸ちるど連サイト
http://www.kcc.zaq.ne.jp/children/